暗示の力は存在する(ただし、心理作用として)~プラセボ効果、ノゼボ効果~

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雑学

今回は、暗示の力です。おそらく聞いた事がある人も多い「プラセボ効果(プラシーボ効果)」をご紹介します。人は自分が思っている以上に暗示的な心理作用に影響されているという事を説明していきます。未知の力に見紛ってしまうような心理作用、それがプラセボ効果です。

では、早速いきましょう!

プラセボ効果(プラシーボ効果)とは何か?


皆さんはプラセボ効果(プラシーボ効果)をご存じでしょうか?プラセボ効果とは、
「自らそう思う(信じる)ことでその効果が増す」心理作用の事です。
自分自身がそうだと強く信じることで、身体に対する影響も実際にかなり変わっていきます。

これだけ聞くと「そんな馬鹿な」と思う方も沢山いらっしゃると思いますが、このプラセボ効果、実は私達の生活においてかなり作用しています。
実際に、私達の身体の快復と悪化にも大きく影響しているんです。

具体的な例をご紹介します。

暗示の力、プラセボ効果は凄い


1790年代、イタリアのジェルビさんというお医者様が、とある虫が出す分泌液を自らの歯に塗ったところ、一年間に渡り、歯の痛みが消えました。
これを機に、患者さんへも同じように虫の分泌物を歯に塗って治療を施したところ、約68%の患者さんが同様に一年間、痛みが消えたんです。

残念ながら、その虫の分泌液がなんだったかは定かではありません。しかし、そんなものがあったなら現代の発達した医学で使用されているでしょう。
使われていないという事は、実際の効果(薬理的な効果)が無かったということだと思います。

この話の大切なところは実際の効果があるかどうか?では無いんです。
お医者さんも「それが効く!」と信じ、多くの患者さんも「効くに違いない!」と同様に信じたことです。つまり薬理的な効果は無かったけど、心理的な効果が働いて痛くなくなった、ということです。

多くの人が経験したことがあるであろう歯の痛み。凄く痛いあの痛みが、暗示によって消えてしまったのは凄いことだと思います。

これは200年以上も昔の話ですが、これと同じような事が現代においても起きているんです。

例えば、ずっと有効だと言われ使用され続けた薬が、最近になってむしろ悪影響だった事が判明したのにも関わらず、実際に処方され服用していた患者さんたちは、悪化するどころか快復に向かっていった実例は少なくありませんそしてこれは今尚起きています。

プラセボ効果の真逆、「ノセボ効果」(ノーシーボ効果)


プラセボ効果はわりと有名ですが、真逆の効果である「ノセボ効果」(ノーシーボ効果)というものもあります。
例えば、今より昔の時代では「呪い、呪術」は非常に効果がありました。
「呪い」をかけられた人は、実際に体調を崩し、どんどん衰弱するんです。、まるで未知の力が働いたかのように、身体が蝕まれていきます。しかしこれは科学から見るとノセボ効果だと言われる可能性が高いです。

このノセボ効果をざっくり一例で説明すると、
呪術師に
「トカゲの尻尾を飲み込んだな?お前に呪いをかけた!尻尾からトカゲが再生し、お前の身体を食らい尽くす!

といわれた人は、その後、徐々に体調を崩していきました。
その呪いをかけられた人は俺は呪われた!と完全に信じきっていました。様々な祈祷や治療をしても一向に治りませんでした。

しかし、とあるお医者さんが治療という名目で以下の事を試したんです。
あらかじめ「別のトカゲ」を用意し、厳かな儀式を装って祈祷しました。
祈祷中、吐き出すような儀式を行い、あたかも「口からトカゲが出たよう」見せかけた結果、
その「呪われた人」は、呪いが解けたと信じ、みるみる快復していきました。

まさに「病は気から」です。

現代において、「呪い」があまり世間に浸透していないのは、多くの人が「信じなくなったから」では無いでしょうか?

この話から何ができるのか?


では、私達の生活においてこのプラセボ効果をどのように活用できるでしょうか?

例えば
あなたの大切な子供に対して、身体に良い影響ばかりの「ビタミンB群とCのサプリ」を
1日1粒で、何でも治る薬だよ」といって与えたら、その子供が信じるほどに体調がよくなる可能性があります。
どんな心理作用も使い方次第で良くも悪くもなります。

脳からみても「安心は痛みを抑えてくれる」事が分かっていますので、痛みがある場合でも、これはわりかし有効なんじゃないかな?と思っています。実際にこれに近い実験もあってちゃんと効果がありました。

また、「○○の成分が▲▲に効く!!」の謳い文句の薬が現代においても沢山あります。
実際の効果は私には分かりませんが、以前までは心のどこかで「ほんとに効くの?」と思っていました。こうなってしまえば、実際に効果があったとしても、実感できない可能性が高くなります。しかし、プラセボという観点から見ると、本人が心から「信じている」のであれば、きっとそれは効果が高まっているんだと思います。
それを他人の私が「成分から見ると、実際はああだこうだ」といってしまうのは簡単ですが、使用している人からすれば、「成分以上のプラセボ」が働いている可能性があるんです。

「プラセボ効果、ノセボ効果」と「プライミング効果」の違い


ここまでプラセボとノセボを説明してきましたが、似たような心理作用に「プライミング効果」というものがあります。
この心理作用も「先に受けた情報によって影響があるもの」ですが、
「意識的な信念」か「無意識的な影響」かが明確な違いです。

プラセボとノセボは上での説明どおりに「自らそう信じる」ことで効果があります。
プライミング効果は、それとは違って「いつの間にか影響を受けている」ものです。
プライミング効果の具体的な悪い例は「お金の心理作用」という記事で取り上げていますので、興味があればご覧になるのもいいかもしれません。

ここでは良い例だけ取り上げますと
「幸せ」にまつわる単語を見る、もしくは考えただけで、気付かない内に人は少しだけ優しくなっています。

プラセボ効果で大切な人を救い、その効果すら上げ、プライミング効果で自分自身も楽しく生きる事が大切だと思います。
例えば、プライミング効果を利用するため、悪い情報より多く良い情報を毎日取り入れて健やかに暮らす事は、情報を選べる現代において、私達自身で選択可能な「生き方」なんです。

あなたの今日の1日がプラセボ!な一日である事を願って。
読んでいただきありがとうございます!!

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