「脳科学的に」世界一幸せな人から学ぶ、幸せ

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健康

今回は、(脳科学的に)世界一幸せな人だと言われる「マチウ・リカール」に学ぶ、幸せの極意についての話です。先ずは、リカールの脳がどんな状態なのか?何をしているのか?について触れていきます。「感謝と思いやり」についてが今回のメインとなる話です。

では、早速いきましょう!

脳を喜ばせる世界一幸せな人


2016年。アメリカの神経科学者デビットソンは、「とある人物」の脳の活動を測定した際に、驚愕しました。

その「とある人物」は、ポジティブな感情にまつわる脳の活動が、一般の人とは比べられないレベルで活性化しました。

その人は、一般の人に比べ
普通の状態で最大100倍。
とある行動(思考)をした時、なんと最大500倍!!ものポジティブな感情への違いが見て取れました。

想像もできないレベルで彼は「ポジティブな感情」を得やすい人物だったんです。
これを受けて、その人は「世界一幸せな人」として、一躍有名になりました。

そんなポジティブの達人である「とある人物」とは、
フランス生まれのチベット仏教僧「マチウ・リカール」です。

そして、そんな彼がとんでもなくポジティブな感情を、特に抱いたその行動とは、
「他人を思いやり、慈しむ瞑想」をした時でした。

その瞑想中に彼は本心から、そして心の奥底から
世界に対し「思いやり」を向けていました。

何十年も練磨されたその瞑想は、実際に世界の幸せを願う事によって、彼自身の幸せにもなっていたんです。

だとすれば、私達もそれを取り入れれば良いんです!
誰かに感謝し、思いやりを向け続ければ、自分自身がポジティブな感情を抱きやすくなるんです!

だから、常に感謝をしていきましょう!!

…なんとも理にかなっているように感じる、「常に思いやりを持とう!」という考え方。

しかし、何か、心のどこかにひっかかりのようなものを感じる人もきっといるはずです。
何かがおかしい、何かが違う…。
今回の本題は、実はここからなんです。

ポジティブの大きな誤解~その1~


はじめに申しあげて起きますが、
リカールさんは間違いなく幸せな人であり、それを否定しているわけではありません。
実際に、その他のチベット仏教僧に関しても、やっぱりポジティブな感情を得やすい、という結果が出ています。
やっぱり「感謝と思いやり」幸せに大きく貢献している事は間違いありません。

しかしここで注意したいのは、「そこに至るまでの過程が、全く考慮されていない」という事です。つまり先ほど言った、心のひっかかりとは、「前提条件が違うなら、はじめに目指す場所はそこでは無いんじゃない?」というものです。

もっと簡単に言ったら

「無理して感謝しても、辛いだけ」です。

その他の心理学の様々な研究でも、
常に感謝している人は、健康で、ストレスに強く、幸福である事は、確かに示されています。
そしてそれらは根拠あるものです。

ですが、これをよくよく考えてみると
これらの研究は、義務感のように「常に感謝しなければ!」という無理をした結果ではなくて、
「常に感謝する事のできるまでに至った」ために、常に感謝できているんです。

つまりは、そう思えるだけの段階を経て、感謝や思いやりを持つ事は、自分自身のポジティブな感情を後押しします。ですが、そうではなかった場合、自身を苦しめます。

強い悩みを感じている人が「感謝しなきゃ!ポジティブでいなきゃ!…いつでもそういられない自分って駄目だなぁ。」
こんな考え方になったりもします。これではあまりに難易度が高すぎます。

感謝や思いやりは、「自然な反応」として、あるいは「心の安定」が保たれた後に目指すべき場所であり、最初から無理をしてやることではない、という事です。

私自身が「自分」というものが分からなくなってしまった時、思いやりを持つほどに自分自身の心が削られていく感じがしていました。その結果至った場所は「自分も含めた誰もを、信じられなくなった自分」です。そんな当時の私に「感謝してればどうにかなるよ。」と言っても、おそらく辛くなるばかりだと思うんです。あくまで「心から」自然な反応として思いやれた時に、私は「心地よさ」を感じたんです。決して感謝が先では無かったんです。

自身の「自然な反応」から目を逸らす事に、おそらくメリットなんかひとつたりともないんじゃないかとも、思ってます。
私達が目指すべき場所は、「自然な反応」としての「心の穏やかさ」であり、その先の「感謝や思いやり」なんです。

厳しい話をすれば、自分を思いやってあげられない状態で、どうやって相手を思いやれるんでしょう?

有名なセリグマンのポジティブ心理学には
「今日のいいことを3つ書く」というものがあります。そしてこれは有効である事は示されています。

しかし、これもまた「あ、今日は良いことがこんなにあったんだ。じゃあ、今日は結構良い日だったかも。」と実感するためのものであり、
「今日は部長に怒られた。怒ってくれてありがとう!!」のようなものを書き出して、無理やり良い事にすると言う目的では無いんです。

ポジティブの大きな誤解~その2~


「ポジティブ」という言葉そのものも誤解を生みやすいものだと思います。

「ポジティブってなに?」と聞かれたとしたら、
多くの場合は、「喜びや高揚感」などをあげると思います。確かにそれらもポジティブな感情には入っているんですが、カルフォルニア大学のアルメンタは

「平静(心が穏やかである様)」
もポジティブな感情であるといっています。脳から見ても「心が安定し、穏やかであること」は幸せの土台なんです。

また、「ポジティブ」というそのものの意味として「積極的」というものがあります。

つまりは、「積極的に心を穏やかにするために、考え、行動する」という事は、もうそれだけでも「ポジティブ」なんです。

冒頭でご紹介したマチウ・リカールも、この「ポジティブ」に当てはまる方だと思います。
世界一幸せなリカールは「常にガッツポーズ!」するような方では無いんです。
彼自身は「謙虚で、穏やかで、思慮深い」方です。

リカールはその状態に至った結果、「心から思いやりを世界に向ける」事ができています。
だとすれば、私達の目指すべきは、先ずは「あくまで自然な反応として、心の穏やかさを積極的(ポジティブ)に手に入れる」事なんじゃないでしょうか?

常に感謝できる人は、感謝しなきゃ!という心持ちでは無いんです。

リカールは、今となっては世界中の人に愛される「瞑想」によって「平静」を手に入れたのかもしれません。
「瞑想」と聞くと、なんだか怪しそう、なんて思う人もいるかもしれませんが、いまや科学的に認められつつある「精神的安定をもたらす脳のための活動」です。

今日のあなたの一日が「心の穏やかさを手に入れるために積極的な」一日である事を願って。
読んでいただきありがとうございます。

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