感情の仕組みと応急処置

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感情

今回は、感情反応の仕組みと応急処置についての内容をご紹介していこうと思います。私達人類は「不安を感じやすい生き物」ではありますが、その対策がないわけでもなさそうです。感情の仕組みを知ることはその不安を減らすことに繋がります。根本の解決や対処は、他の記事でまとめているので、今回はあまり触れません。
今回はどちらかというと「感情の仕組みと応急処置」的な内容です。

では、早速いきましょう!

人は不安を感じやすい生き物


現在の日本において、
今の暮らしに強いストレスを感じる労働者は58%で、特に10代~30代の将来への不安を感じている方は8割近いものです。

昨今のコロナによる影響も考えられますが、
人は基本的に、プラスのことよりもマイナスのことに目が行きやすいという特徴があることは、様々な研究で言われているところです。

例えば、
マサチューセッツ工科大学の研究で、科学の正確な情報は1,000人以上に広がらないが、恐怖を煽るようなフェイクニュースは、10万人以上に広がるという結果が出たのは、個人的には特に印象深いものでした。

不安は何倍も、人の心に多くの影響を与えてきます。

全ての人は、その人生の中で何らかの嫌な経験をしているものです。
不安に感じること自体は、誰であってもありうることなんです。
人類のデフォルトが、強い生き物ではないんです。

感情が通る二つの過程


私達はなにかの感情を抱き、思いをはせる際、大きく分けて二つの過程を経ています。
それが良いときであっても、悪いときであってもです。

その二つの過程がどういうものなのかというと、

まずは、目の前で起きたことに対して、素直な感情反応を起こします。これが「第一の過程」です。
つまりは「何らかの事柄からなる身体の自然な感情反応。内側から湧いてくる気持ち。」が第一の過程です。
例えば、不安であればドキドキしたり、呼吸が早くなったり、じわっと汗をかいたりなどという身体の反応がやってくるはずです。
この時私達は、少なくともドキドキしなきゃ!呼吸を早めなきゃ!とは思ってはいないはずです。

その後すぐさま、それをかみしめるように私達は思考を繰り広げることで、いい意味でも悪い意味でも味わっています。これが「第二の過程」です。

近年の脳についての研究で分かったことは、ことこの素直な反応である「第一の過程」は長く続かない、ということです。

顕著な例でいえば、
私達は「怒りの対象」を感じた時、アドレナリンが血流内を駆け巡り、およそ4秒~6秒でその怒りは最高潮に達して、不安の時と同様に、心臓が高鳴り、呼吸が早くなり、汗をかきます。
その後緩やかに、怒りのボルテージは下がっていきます。そして何事もなく40秒ほど経ってしまえば、本来怒りは随分と収まります。

しかしなぜだかその後もずっと、怒りが強まってしまうような経験を私達は幾度となくしていますよね。

これはなぜかというと、「第一の過程」で感じた素直な反応に対し、頭で考え、気に食わないと感じるがために「第二の過程」で何度も思い出し、再びその怒りのボルテージを高めているということがあります。

つまりは、「第二の過程」でもって、私達はその怒りを、連続的で継続的なものにしてしまっている結果、ずっとイライラしてしまっています。

このイライラの原因は本当に様々ですが、包括的な対処としては、
「その対象に、その思いと時間を使ってあげない事」だったりがあるかなと思います。

例えば、煽り運転をされたときに、
「なんであんなに荒っぽいんだろう」と考えるよりは
「まあ、もう二度と会わないだろうし」と考えた方がよほど自分のためにはなります。

良いか悪いかは置いておいて、少なくともその気持ちをエネルギーとして消費しなくて済みます。

もしくは「根本的な帰属の誤り」に気付くことでもいいかもしれません。

「根本的な帰属の誤り」とは、端的に言えば、「自分が問題を起こした時には事情や理由があると思うが、他人が起こした問題の場合は、事情や理由ではなく、性格のせいだと考えてしまう事」です。
その荒っぽい運転をした人は、今現在は確かに気性が荒いのかもしれませんが、そうなってしまったのには必ずそれまでの経緯や事情があります。
置かれた環境などによって、その人も何かしらの苦しみを背負っているだろうし、何もなくて気性が荒い人なんかいないんだ、と思うことはおそらく限りなく事実に近い解釈です。

さて少し話がそれましたが、今回は、そういった対処の話ではなくて、「応急処置的」な話しをしたいと思ってます。

思いを巡らす際の「応急処置」


ここまでの話を纏めると、
人は不安に敏感であること。
内側から湧いた感情や身体の反応(第一の過程)に対し、思いを巡らすことでその気持ちを増幅してしまっている(第二の過程)こと。
があったことと思いますが、ここから、そんな時にできることを纏めてあげていきたいと思っています。

つまりは増幅する前に、もしくは増幅してしまいそうな時に、「応急処置的」な対応をすることが今回の話です。

不安な情報を得すぎない


そもそも不安になるような情報に私達は敏感なので、そういった情報を一度少なくしてみることをお勧めします。
重要で必要な情報であれば、それは残していてもいいとは思いますが、
そこまで重要でない、不安になる情報が多ければ多いほどに、やっぱり不安になる回数が増えることになります。

私達人類は、基本的にはそんなに強靭な精神を持っているわけではないので、まずは取り扱える部分にのみ注力し、明るく生きられた方が、私達も、そしてその周囲の人も心穏やかに過ごせます。

常々言っていますが、自分自身の余裕を保つということは、ご自身の生活に、ひいては大切な人の生活に、直結します。
誰かのためにと行動できるのは、心に余裕が生まれてからでもいいと感じます。

深呼吸をしてみる


不安に襲われたとき、私自身もよくやっていたことは「深呼吸」です。
ゆっくり吸って、ゆっくり吐く。

とある研究で、穏やかに暮らしている人ほど、日ごろの呼吸がほかの人より、深く、ゆっくりな呼吸である傾向が見つかっています。

息苦しくならない程度に心地よいペースで、大きく息を吸って、ゆっくりと吐いてみてください。
そして息を保ちながら、その感覚を今度は少しずつ心臓の鼓動に向けていきます。

そうしていくと、身体から落ち着きが戻ってきます。

どうしてこんなことが起きるかというと
先ほど、不安や怒りの際には心臓が高鳴り、呼吸が早くなることを読んでいただいたと思いますが、
これに対してゆっくりと深呼吸することで、身体と脳に「落ち着いていいんだよ」ということを繰り返し教えることができます。

これは、私達自身の意志で行うことのできる、数少ない自律神経系に訴えかける方法です。

集中する


私達は何かに集中している時は、その集中が深ければ深いほどに、「他の事が考えにくく」なります。

極端な話、全力で走っている時は、「日頃の悩み」は限りなく小さくなります。
また、そこまで極端ではなくても
例えば
100から-13していく作業を気が済むまでやってみると、おそらく他の事を考えるのは非常に難しいはずです。

おうちに帰って好きなもの、好きなことに没頭するもよし、
仕事中であれば、仕事に集中するもよし、
散歩中、いつも通る道の中で気付かなかったことを探すもよし
です。
特に散歩中に関しては、見つけようとすればびっくりするほどいろいろと見つかります。

私達の目はいろいろなものを日頃見ていますが、私達の脳がそれをしっかり知覚しているかといえば、これが面白いほどにそうではないんです。本当に沢山の気付いていないことがあります。
当たり前の中にも、これでもかと発見があります。

最後に


ここまでいくつかの応急処置を述べてきましたが、その中でも特に個人的には「深呼吸」が一番でした。本当におすすめです。

私達は、しばしば「苦しみには立ち向かわなければならない」と感じてしまう事があります。
その目の前の事象に、過去の嫌な記憶に、未来への不安に、「闘わなければならない」と、思ってしまう時があります。

しかし、私自身が様々な悩みに対しアプローチし、一つずつ、そして少しずつ気持ちが好転していった時は決まって
その現実と「闘う」のをやめ、「向き合う」ようになってからでした。

不安を感じた際も
「不安になるなんて情けない。」と感じていた自分自身を「私は今不安なんだな。じゃあ、こんな時ってどうするんだっけ?」と向き合い、認めてあげてからは本当に早かったことを記憶しています。

そして初めから認めてあげられない時は、まずは少しでも気持ちを楽にする、今回のような応急処置も手であると、私は思っています。

今日のあなたの一日が「応急処置でスッと楽になる」一日であることを願って。
読んでいただきありがとうございます!!

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