なぜあの人は会話が続くのか?~チャンクサイズコントロール~

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人間関係

なぜ、あの人は会話が続くのか?
うまく話をする人は知ってか知らずか、今回ご紹介する話し方をしていることが多いと思います。なぜ、あの人は話がうまいの?という疑問を「チャンクサイズコントロール」というものでご紹介します。会話の基本的な構造部分に対する話です。

では、早速いきましょう!

会話は考えてしまうと難しい


会話は誰も教えてくれないのに、当たり前に要求されるコミュニケーションの重要な行為の一つです。

おそらく話が続かない方は
「どうしよう…沈黙が続いてしまっている」
「何か話さなきゃ!共通の話題は…!」

と考えているのだと思います。

良い話題をつくらきゃ!という気持ちで頭がいっぱいになってしまいます。

ですが準備をしていない限り、誰であってもそうそう良い話題なんて浮かばないものです。今回の「チャンクサイズコントロール」を知れば、きっかけは作りやすくなると思います。

チャンクサイズコントロール


話題作りから話を広げるまでの過程を「チャンクサイズコントロール」というものでご説明します。

特に、「チャンクサイズコントロール」の
・チャンクを決める(話題を設定する)
・チャンクダウン(話題を掘り下げる)
・チャンクスライド(関連する話題へ持っていく)

3つを順にご紹介していきます。

1、チャンクを決める(話題を設定する)

話題の設定は、難しく考えない事が大切です。ほんの些細な事で大丈夫なんです。
例えば、下の項目を参考にして設定するといいかもしれません。
・気候や時間「今日の天気」
・予定「週末やお休みの予定」
・日常の習慣「ご飯は何を食べたか?」「睡眠時間」「起床時間」
・好みや苦手な事「趣味」「嫌いなもの」

など、日常にある些細な事柄から会話を始まる事がほとんどなんです。日常としてやっている事=「誰もがやっている事」です。
何も最初から面白い話題を作る必要は無いんです。話始めのハードルを下げてしまいましょう。そこで形成された「場」は、「しゃべっていい環境」を作り上げてくれます。

2、チャンクダウン(話を掘り下げる)

会話が設定できたら、その会話をより具体的にします。
例えば、一番会話が続かなそうな「今日の天気」で会話してみます。
私「今日は雨が冷たいですね。」(話題の設定)
Aさん「そうですね。」
私「そういえばこの前の大雨の時、車の窓を開けっぱなしにして、車の中がびしょ濡れになっちゃいまして」
(話題の掘り下げ)
Aさん「あーたまに私もやっちゃいますね。私の場合は、台風の日に父が閉め忘れて・・・」

こんな感じになっていくと思います。
全然良い話題じゃなくても、話を掘り下げることによって、思わぬ話題へと進展していきます。

3、チャンクスライド(関連する話題へと切替えていく)

話題を掘り下げたけど、話が終わりそう。だけどもう少しお話したい時は関連する話題へと切替えていくとまた話が広がります。
またまた例えると、今回は最初の「天気」の話が終わった時の場合です

私「それはお父さん、やっちゃいましたね!」
Aさん「結構やらかしてくるんですよね。」
私「大変でしたね~。」

Aさん「そうなんです。」(話題の終わり)
私「ところで、お父さんはおいくつですか?」(関連する話題「父を主役にした話」)
Aさん「あれ?いくつだろ。65歳くらいだったかな?」
私「あはは!笑、意外と忘れちゃいますよね。私も覚えてないや!笑 父に怒られるなぁ笑」
(話題の掘り下げ)
Aさん「そうですよね笑 私なんか自分の年齢を忘れる事すらありますよ笑」
私「それはさすがにないかな笑!あれ?私、今何歳でしたっけ?」
Aさん「え~!? 今なんていったか覚えてます?笑」

こういう感じで関連する話題へとどんどん進展していき、再び掘り下げる事で会話はより深まります。

会話が続く人は意識していないでも、これを繰り返しているんです。一連の会話は、話題の掘り下げ(自分の経験した話や他者の経験した話など)と、それに関連する切り替え(〇〇と聞いて思い出した話など)が起きています。

会話や人間関係に対する心理

最初は会話が途切れる事も沢山あると思います。そもそも途切れる事自体はよくあることです。
むしろ、毎日少しずつ会話する事が信頼関係を作ることが出来るんです。始めは沢山話せなくても、心を開くきっかけにはなっています。
毎日少しでも顔を見せる、会話することで、行く行くは信頼関係が生まれるものなんです。心理学的にも、身の危険がない場合は「会えば会うほど好きになる」事が言われています。

更に、人の心理から見ると、多くの人が「初対面の人との会話が苦手」や「自分の印象は悪かったが相手の印象は良かった。なんだか相手に申し訳ない。」と考えていることが多いようです。多くの人がこう考えているという事はつまり、お互いに会話や人間関係に対して遠慮し合っている事もかなり多いという事です。

私たちは「ヒト」という括りから見ると「相違点」より、圧倒的に「類似点」の方が多いんです。
同じ人間であるがために、似たような間違いをしてしまう事がよくあります。会話に関してもお互いの認識が基本的に「申し訳ない」と思っていると分かれば気持ちは少し楽になります。

それでも、難しいと感じたのなら、毎日必ず口にしている言葉を大切にしてみてください。
それは「挨拶」と「ありがとう」です。
毎日「挨拶」と「ありがとう」を伝える事で、相手から話がやってくる可能性は高まります。

挨拶はただの朝の定例行事では無く、その相手の存在を認める意味があります。

また最も大切なことは、「会話とは、心の交換の一つの方法である」と言う事です。私には妻がいますが、その日頃の会話内容は「中身のない、本当にしょうもないことばっかり」です。ですが、私にとっては、そのしょうもなさが楽しいと感じています。ひょっとすると今回の内容を本末転倒にしかねない話にもなりますが、こう言った意味の無さが成立する状態が、最もいい状態の一つでもあるんじゃないか?とも、思っているんです。私達は自分を良く見せようと頑張ってしまいがちですが、実のところ「何にも身構えていない人、話をしっかり理解してくれようとしている人」にこそ惹かれるところがあるんじゃないかと思うんです。私達の会話は「テクスト(文脈)」で成り立ちますが、同時にそれには「文脈化されないコンテクスト(背景)」も含まれています。何も用意しない、何も身構えない「文脈化されないコンテキスト(背景)」が「テクスト(文脈)」と共に溢れ出る。さらけ出し向き合ってくれる人と、人は「会話」したいのです。

会話が心の交換であるがために、「互いがしっかり聞く=心がしっかり受け取り合っている」とすれば、それは目に見えること以上に、目には見えないような形で伝わり合い、心地よい会話として成立しているのだと思います。

今日があなたの楽しい話合いのきっかけの一日である事を願って。
読んでいただきありがとうございます!

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