人間の見る、聞く「世界」

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雑学

今回は、人間が見る世界や、聞く世界についての話をしていこうと思います。私達の見る世界や聞く世界は、私達人間にとってはそう見えるし、そう聞こえるものではありますが、他の動物から見た場合は、ちょっと違う世界が広がっているようなんです。今回は雑学です。

では、早速いきましょう!

私達の見る「世界」


目の前に熟した真っ赤なリンゴがあります。
ツヤツヤしていて、とても美味しそうです。

では、ここでこんな質問をしたいと思います。
「熟したその真っ赤なリンゴが、赤いのはなぜでしょう?」

突然変な質問をして申し訳ないですが、少しだけお付き合いください。

「なぜって、いくら思い出してみても赤いものは赤いでしょ?」
だったりと、人それぞれ様々な考えを巡らせていただけたかもしれません。
そのリンゴが「私達から見て」赤い事には間違いがないんですが、ここで言っているのは、私達がどうしてそれを赤だと認識しているのか?ってところです。

これを赤だと認識しているのは、
私達が見ている色は、その物体が光を反射した波長を私達の目が受け取ったもの、と言えます。
ちょっと小難しい話をすれば、
網膜内では、桿体(かんたい)細胞で「光」を感じ、錐体(すいたい)細胞にある、赤、緑、青の3種類のセンサーがそれぞれ「光の色」を感じます。そしてその組み合わせによって豊かな色合いを私達は見ることが出来ています。

そのセンサーは、受け取った刺激に対して反応し、電気信号として脳内に送ります。そして脳は後頭部にある「視覚野」でその情報を受け取り、今度はそれを「どこにあって、どういうものか?」を認識するべく、脳の別場所へそれぞれ必要な情報を贈り、その結果「そこに真っ赤なリンゴが置いてある」と認識できます。

つまり、目のセンサーが「それが赤だ」と信号を送ったから、赤いのです。
その赤は私達人間の脳が「赤」だと認識したから、赤いのです。

また、動物の種類によって色の見え方は違います。どれが正しいだとか間違っているだとかはありません。
あえて言うならば、その動物にとっては「その色こそが正しい色」です。

ただ、人間の目からすれば
私達は波長の長い色は「赤」に見え、波長の短い色は「紫」に見えます。
これがあくまで人が色としてみることのできる波長です。

しかし他方で、私達が色として見ることが出来ない波長もあります。
赤よりさらに長い波長を、赤の外側にある「赤外線」、(さらにそれより長いものは電波)
紫よりさらに短い波長を、紫の外側にある「紫外線」といいます。(さらにそれより短いものはX線、γ線など)

視認できる最長の波長(大きい波長)が赤に見え、それより長いお隣さんを「赤外線」
視認できる最短の波長(小さい波長)が紫に見え、それより短いお隣さんを「紫外線」

人の目から見ることのできない「赤の外」と「紫の外」。とってもわかりやすい呼び名ですよね。

私達人間は赤外線以上の波長と、紫外線以下の波長を自分の目で見ることが出来ませんが、機械を使えば見ることが出来ます。
しかし、例えば蛇などは「ピット」と呼ばれる器官で、赤外線を感知します。
また、虫や鳥などは紫外線を見ています。

機械で見ている赤外線や紫外線と同じかもしれません。
はたまたその動物にしか味わえない世界が広がっているのかもしれません。

あくまで私達が見ている世界とは、人の「目と脳がそう認識している」世界なんです。

私達の聞く「世界」


私達は、この世界を「見る」だけでなく、「聞く」こともできますよね。

音は、空気の振動による「波」です。音の波、だから「音波」と言います。
この音波も長くゆったりとした波や、短く小刻みな波があります。

この波が私達の耳に届いて、これまた脳に情報を送ります。そして「側頭葉(そくとうよう)」と呼ばれる頭の横側にある脳領域の一部で、その情報を認識します。

そこからさらに他の様々な脳へと情報を広げ、例えばその音に気付き、危険なものじゃないかどうかを判断するのに使用されます。
突然鳴る大きな音にびっくりするのは、自然界ではかなりの異常事態なので、身体にそれを即座に教え、逃げるか闘うかの準備をするためです。

さて、音を聞いて情報を認識し、対応する。これだけでもすごい事ですが、人間は更にすごい事を当たり前のようにこなします。

私達は、誰かの発言や自分の発言を聞くことが出来ます。これってよく考えるととてもすごい事です。
会話ができる、というのは、
空気と喉と口を使って複雑な発音をし、いろんな音の波を作り、それで意思疎通しているんです。
その口から発せられた言葉は、音の波の連続的な変化です。それも、低い声だろうが高い声だろうが関係なしにしっかりとそれを言葉として認識できます。

こんな事がなぜできるかというと、人間には側頭葉に「言葉を言葉として理解するための脳領域」があります。それを「ウェルニッケ野(や)」と言います。ちなみに、ウェルニッケさんが見つけたから、ウェルニッケ野と言います。

さらに言えば、私達の前頭葉(おでこの辺りの脳)の一部には「言葉を上手く発するための脳領域」があります。それを「ブローカ野」と言います。こちらもブローカさんが見つけたから、ブローカ野と言います。

つまりは、「言葉を認識するウェルニッケ野」を中心に自他の発言内容を理解して、「その発言を上手くまとめるブローカ野」を中心に言葉を発しています。

言葉の「理解と発話」を担う脳部位があるからこそ、私達は会話が出来ています。

話は変わって、
人間が聞くことのできる周波数は約20ヘルツ~20,000ヘルツと言われていて、人間の聞くことのできる最大周波数を超えた音を、「超音波」と呼んでいます。

つまりは人の耳の限界を「超えた音の波」が超音波です。
当然これを超えた場合、私達の耳には音として聞くことが出来ません。

超音波を聞くことが出来る動物というと、コウモリやイルカなんかが浮かぶかなって思いますが、実は少し低めの周波数、それでいて人の聞くことのできない超音波を、猫や犬も聞くことが出来ます。

また、ゾウはとても低い音でコミュニケーションをとっていることが分かっています。時には私達には聞こえない声を使って、「会話」しているようなんです。

私達が聞く世界も、見る世界同様に「耳と脳がそう認識している」世界なんです。

最も進化した生き物?


人間は「最も進化した生き物」なんて時には言われたりしますが、こうやって見ていくと他の動物の方が、その感じることのできる世界の幅が広い場合も沢山あります。

人間を含む生き物は、どれをとっても「その環境に適した進化を繰り返してきた結果、今の形」なんじゃないかと思うんです。
世代を超えて、長い長い生物としての歴史を重ねて、偶然今の身体に収まったんだと思うんです。

確かに人間は、考えることによって過去を振り返り、未来を予測する能力など、長けているところがあります。ですが、見える世界や聞こえる世界は、他の動物の方が長けていたりもします。

それだけでなくて、人間よりはるかに優れた、屈強な身体的特徴を持った生き物はかなり多いですよね。ある動物は壁を難なく昇り、ある動物は高くジャンプするように。

また、ほとんど進化しなかった生き物は、すでにその環境に適していた、ともいえますよね。

「動物は身体と脳(もしくは神経細胞)がそう認識した世界を感じている。」

そうであるなら、脳の無い生き物が、その神経伝達によって何を感じているのか、とても興味が出てきませんか?

今回は、雑学的な内容でした。

今日のあなたの一日が「生き物と世界を感じる」一日であることを願って。
読んでいただいてありがとうございます!!

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