今こそ共産主義を知る

スポンサーリンク
雑学

今回は、前回の資本主義に続きまして「共産主義」ってなんだろう?な話です。共産主義について知ることで、資本主義の中で暮らす私達の生活の良い面も悪い面も見えてきます。知って得する「共産主義」をお伝えできればと思っています。

では、早速いきましょう!

資本主義に待ったをかけた人物がいた


前回、資本主義について取り上げました。
その資本主義について少しだけおさらいすると
「経済学の父」と呼ばれるアダム・スミス
「個人の利益追求が、他者への利益に繋がります。もし独占しようとしても競合する人が現れ、より良いものをより安く提供してこれを修正します。だから自由に稼いでください。」
といいました。

今まで「自由」なんて無かった民衆からしてみれば、やっぱりこれは魅力的な案でした。
実際「自由」が民衆の心を掴み、資本主義は一気に広がっていきます。

ところが、アダム・スミスのこの案に「待った」をかける人物が、広がりを見せた少し後に登場します。

それがカール・マルクスです。
マルクスは資本主義に対して
「資本主義は皆を不幸せにする仕組みだ!必ず破綻するぞ!」
と猛烈に批判を浴びせます。

マルクスが資本主義についてここまで批判をした理由はなんなんでしょう?

資本主義は競争によって「搾取する側」と「搾取される側」を作り上げる


マルクスが資本主義に対し「必ず破綻する!」とおっしゃったのはどうしてなんでしょう?

そもそも資本主義は個人が「自由に稼ぎたい!」と頑張った結果、そのうちの何人かが大きなお金を手にして、いわゆる資本家が生まれ始めます。
資本家がそのお金で会社を大きくしたり、多くの人を雇ったりしてそこで働く人に賃金を払っていきます。

そしてその会社に雇われた労働者が頑張ることで、その利益が会社を盛り上げ、労働者の賃金も上がっていく。

誰もが恩恵を受ける社会。
これが資本主義の基本となった理想像なんです。

しかし、マルクスはこの考えに対し
「搾取する側と搾取される側の構図を作り上げてしまう。」
と訴えかけました。

働く場所もあって、そこそこ不自由なく暮らせるなら良いんじゃない?という意見も勿論あると思います。私も特に困らないならそれでも良いかなって思うんです。

ですが、事態はそう簡単では無いようです。

マルクスは、その先も読んでいました。
資本主義社会がずっと続くと、遅かれ早かれ企業間の争いによって起きうる危険についても見えていたようです。

「良いものを安く」の弊害


企業同士がライバル関係になった時、そのライバル達に勝つためには「より良いものをより安く」提供する事を思いつきます。

例えば、ライバル社が値下げをしたらクオリティ(品質)を維持しつつ自社の製品の値下げをしない事には買ってもらえなくなります。
自社が値下げをすれば、今度はライバル社も黙ってはいません。ライバル社も再び値下げをします。

クオリティを維持しつつ利益も落としたくない時、資本家の目に最も付きやすい対応は、
「労働者の賃金を減らしつつ、生産数を増やすために労働時間を増やす」事です。

これだけでは終わりません。
マルクスは更にその先も見ていました。
じゃあ、労働者の賃金が減るとどうなるでしょう?

社会生活において、特に生活の必要なものの消費は、大多数である労働者が担っています。
賃金の減った多くの人は、当然財布の紐がきつくなります。
贅沢は避けて、必要なものを必要なだけ買う傾向が生まれます。

この結果、徐々にものが売れない社会となっていき、会社も利益が生まれなくなる。
利益が生まれないなら人を雇う事は出来ないので、
行き着く先は「格差社会からの資本主義社会の破綻である。」と、

マルクスは考えました。
ここまでを整理すると

「自由に稼いで競争してください。という競争によって確かに盛り上がりは見せるものの、競走激化による価格競争が始まり社会格差が生まれ、その格差でモノが売れなくなり、経済的に破綻する。」

こんな感じです。

さてこのように、資本主義を批判しまくったマルクスですが、
マルクス自身にも理想とする「国の形」がありました。それが「共産主義」です。

共産主義とは?


「資本主義は破綻する!」とマルクスはおっしゃいましたが、そんなマルクスにも「共産主義」という理想の国の形がありました。

「共産主義」とは
簡単に言ってしまえば「みんなの稼ぎはみんなのもの。だから平等に分けよう!」という経済システムです。
マルクスいわく
資本主義の問題点は、自由な競争の結果、搾取する側と搾取される側が生まれることです。

それを無くすためには、国民の財産を一手に集め、それを均等に分配すれば「みんな平等」な社会が築いていけると考えました。

この思想に賛同し、結構な数の共産主義国が誕生しました。
ソビエト連邦は「共産主義国(厳密には社会主義国)」として、実際に当時のアメリカを凌ぐ勢いを持ちました。特に有名なのは、「宇宙開発」です。

当時最先端の技術にお金を投入できたのは、国民の財産が一手に集まったためです。国民にしても地球を飛び出すその技術力に「わが国スゲー!」となっていたかもしれません。

しかし、そんなソビエト連邦を始め、多くの共産主義国を目指した国(社会主義)は長くは続きませんでした。

ちなみにマルクスの定義に合わせて言えば、社会主義は「みんなのお金を国が集めて再分配」という経済システムのことであり、共産主義は、社会主義の「最終形態」のことです。要は、国でお金を管理するでもなく、全ての人への平等が実現された経済システムの事です。厳密には違いがありますが、社会主義は共産主義への歩みでなので、今回は全部ひっくるめて「共産主義」と言ってます。

共産主義(というか社会主義)の欠点


長く続かなかった理由は、わりかし明快です。そのどれもが国が一手にお金を管理している点です。大きな欠点を3つ挙げていきます。

1つ目は、「お店の場所がチンプンカンプンだった」という事です。
例えば、今の私達の暮らしの中でも「ここにコンビニがあったらいいなぁ。」のような空き地なんかがあったりしますが、それでも大体は便利な場所にお店がありますよね。

ところが共産主義の場合は、「あったらいいなぁ。」どころでは無く「どこにも無い!」という状況が生まれていました。
国が施設を建設していくので、ここにあったら良いなぁ、というお店が無かったりします。
どうしても大きく国全体を見てしまうので、かゆいところに手が届きません。

また反対に、お家の近くに「こんなの何に使うんだよ!」的な施設が建ったりもしてしまいます。更には国営なので、その施設が有効か否かの判断も、その運営を辞めるか否かの判断も、個人経営の資本主義に比べ遅れてしまう、というデメリットがあります。

2つ目は、「平等の実現は思いのほか困難だった。」という事です。
「みんなのお金はみんなのもの」を実現するために、国が全部のお金を管理したんですが、これは言うほど簡単ではなかったようです。全ての階級をなくした平等な社会、という表向きの顔とは別に、その実、その中身は「恐怖政治」でした。
政府はお金を私利私欲に使うようになり、その政府の批判をしたものは捕まり、国民は日々自分に与えられた役割をこなさなければならない上に、監視されているというなんともいえないような生活でした。

3つ目は、「平等+恐怖政治=意欲ダウンに繋がった」という事です
心理的な話をすれば、人は自分の行動に伴った報酬がないと、意欲は低下していきます。(そういう傾向があります。)

始めは「平等な社会がやってきた!」と、多くの人が喜んだんじゃないかと思いますが、数ヶ月、1年、2年と過ごしていくうちに気付いたはずです。
「私がこれだけ頑張っても、たいして頑張ってもないお隣さんと同じお金なのはどうしても納得が出来ない!」

頑張ろうが頑張るまいが何一つ変わらない。じゃあ頑張る意味ってなんだろう?
と多くの人が感じたことと思います。

そんな中でも愛国心を持って「国のために!」という人も勿論いたはずです。
しかし、目の前にあるのは、徐々にその片鱗を見せてきた「恐怖の政治」です。

この3つ目が、共産主義(に至るための社会主義)を破綻させた最も大きな要因であると、個人的には感じています。

歴史が物語る共産主義


結局、マルクスの「共産主義」は、資本主義には及ばないものでした。いえ、もっと正確に言えば、マルクスの理念は「本当に素晴らしかった」けど、それを実現するとなると、多くの障害があった。と言う感じです。

マルクスさんの「共産主義」は歴史が物語るとおり、改良を重ねてもその多くが破綻してしまいました。

ですが、
マルクスが指摘した資本主義の欠点自体は、確かにその急所を付いているものだと、私は思います。

私は経済に詳しいわけでは無いので、ご参考程度に読んで欲しいのですが、
基本的に資本主義は、国民全体が消費するからモノが売れるのであり、
消費する余裕が、意欲があるからどんどんと国が発展します。

子供をもうける余裕があるから、人口は増え、消費活動は加速します。
働く意欲があるから、新しい良いものが生まれ、会社の利益が上がります。

「資本主義は必ず破綻する!」というマルクスさんの予想は、まだまだ結論が出ない状態です。
というより、実際には私達の暮らす資本主義社会は幾度と無く、その危機を乗り越えてきました。

資本主義は、これからも危機を乗り越えていくかもしれませんし、いよいよ破綻が起きるかもしれません。

いずれにしても、私達人類は資本主義より優れた経済システムをいまのところ持っていません。

今の社会が気に食わないと感じていらっしゃる方もおられるとは思います。
ですが、少なくともある程度の自由が得られているのは、間違いなく資本主義によるものです。

私達の祖先たちが「自由による幸福」を求めてたどり着いたものが「資本主義」であることを忘れてはなりません。
「自由による幸福」を維持し、発展させるために、資本主義社会に生きることを決めた私達の祖先は実際にそれを手にしました。
しかし時が経って、今ではなぜだか、資本主義社会を維持し、発展させるために「自由による幸福」を犠牲にし始めています。

一番最初の目的は「幸福になること」もっと具体的に言えば「楽しいと感じ、安心して暮らすこと」だったはずです。
ご自身の幸福を犠牲にするように生きることは、私達を始め、祖先たちも願ってはいないはずです。

楽しい、嬉しいや心地よいと感じる事に突き進むためにある「自由」です。楽しいや心地よい気持ちが多くなった時、私達は「ああ、今幸せなんだな。」と気付くものです。

今回長々と、資本主義と共産主義について記事にしたのは、経済システムを大まかに知ることで、その良い面と悪い面を知ってもらい、この元あった目的である「楽しく暮らす事」を今一度思い出していただけたらいいなと思ったからです。

今日のあなたの一日が「共産主義」を知って、資本主義を知る一日である事を願って。
読んでいただきありがとうございます!!

タイトルとURLをコピーしました