科学的な記憶術~記憶革命②~

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雑学

今回は、前回の記憶の仕組みに引き続き、じゃあ、どうやったら覚える効率は上がるのか?について出来るだけ簡単に、科学でもって詳しく見ていこうと思っています。やる事は全然難しくないので、すぐさま取り入れることが出来ると思います。少しの工夫で記憶力は劇的に向上するんです。

では、早速いきましょう!

前回のおさらい


記憶術の前に、前回のおさらいをサラッとやっていきます。
私達が一口で「記憶」と言っているものには、結構な種類があります。
大きな括りで、
短い時間(15~30秒くらい)だけ、大体7個くらいは何とか覚えておく事の出来る記憶の「短期記憶」。
そして、長い時間覚えておける記憶の「長期記憶」があります。

更にはその長期記憶にも沢山の種類があり、私達に起きた出来事の記憶「エピソード記憶」知識などの意味を覚える「意味記憶」の2つが高次元な長期記憶で、それ以外にも身体を使って覚える記憶や、日常の動作などを難なくこなすための、上の二つほど高次元では無い記憶があるよ、という話がありました。

この辺は今回の内容を理解する上でかなり重要になってくるので、もし「ちょっと分からないな…」となる場合は、一旦前回の記事を見ていただいたほうがいいと思っています。

これらを踏まえた上で、今回の記憶術を見ると劇的に記憶力は上がっていくものと考えています。

私達の記憶の変化


私達は沢山の事を少しずつ覚えながら大人になってきたのは言うまでもありませんよね。
特に日常生活においては「記憶」を駆使して、特に苦労することなく、思い出したという感覚も無く暮らしていけています。

ところが、0歳から始まり3歳から4歳になるくらいまでの記憶って皆さんありますか?
私の場合は、幼稚園くらいの記憶は若干ありますが、幼稚園に通う前の記憶はまったくといっていい程残っていません。

誰もが通っているのに0歳~3歳くらいの記憶が全くない事を「幼児期健忘」といいます。別におかしなことでは無いので安心してください。

これには脳の仕組み上の理由がしっかりあります。
私達の脳は急速に発達してはいますが、長期記憶の中でも最も高次元な記憶「エピソード記憶」は、3歳から4歳くらいまでは発達が追いついていません。
発達が追いついていないために、「誰が、どこで、なにをした」という記憶は、記憶としてかなり定着しにくいという、成長上の理由が存在します。

ここが最も大切な前置きです。記憶には、難しさ順に
1、出来事の記憶「エピソード記憶」
2、知識の記憶「意味記憶」
3、運動の成果、日常の動作や習慣

という序列があって、上に行くほど高度な記憶に分類されます。3番目の記憶に関してはかなり端折っていますが、大体こんな感じでいいんじゃないかな?と思います。

少しずつ成長しながら、大体10歳前後で最も高次な記憶「エピソード記憶」は上手く使えるようになるんです。更に、思春期は多感な事もあって沢山の「エピソード記憶」を思い出す事が出来ます。

また、上の序列で行くと2番目に高次な記憶「意味記憶」は最も高次な「エピソード記憶」ほど難しくは無いんです。

私達は大体10歳になるまで、特に知識の部分の教育を受けてきましたよね。掛け算の九九だったり、ひっ算だったり漢字だったりをひたすら覚えました。

これは、その当時、知識の記憶「意味記憶」が得意だった、というより「エピソード記憶」が難しいところもあるので、その時覚える事のできる「知識」を詰め込んできましたよ、という理由があります。この理由を知ってか知らずかはわかりませんが、結構理にかなっていると思います。

そして10歳前後から「誰が、どこで、なにをした」という記憶は優位になってきます。
よくこの位のお子さんが「なんで?どうして?」と聞くのは、脳が発達してきて記憶する準備が出来始め、知りたくて仕方が無いからです。

10歳以前のお子さんの「なんで?」に答え、説明しても「ふぅん、よくわかんないや!」と返ってくるのはこの為です。

つまり、この脳の発達の順番を理解していけば、自ずと1つの答えは見えてきますよね。
0歳から3歳は、身体の使い方を優先して学び、
10歳に至るまでは、それに加えて数式や知識等を優先して学び、
10歳からは、それに加えて「誰が、どこで、なにをした」かを理由をつけて学ぶ事が大切なんです。

年齢別の記憶の説明を聞いてどうでしょう?ワクワクしませんか?もし、そうならとても嬉しいです。

大人はエピソード記憶が得意

私達の記憶の仕方は
年齢別に記憶の得意不得意があるのは、ご理解いただけたと思いながら、いよいよ根幹に迫っていきます。

じゃあ、私達大人の記憶の仕方はなにが適切なのか?という話です。

結論からいうと、私達大人は依然として知識を詰め込む時に「意味記憶」を駆使しようとしてしまっているがため、忘れてしまっています

しかし、私達大人はすでに高次の記憶で、最も得意とする「誰が、どこで、なにをした」という「エピソード記憶」を上手に使える状態です。これを利用しない手はありません。
しかし、私達はとても便利で、とても得意としている「エピソード記憶」を上手く使えていない事が良く起きています。

幼い頃に慣れ親しんだ「これはこういうものだから」という記憶方法はとても効率が悪いものにも関わらず、多くの人が知らないがためにこれを繰り返しています。とはいっても、誰も教えてくれませんでした。

つまりは、あえて難しい道(意味記憶)を選び、長期的に見ても忘れやすい記憶方法を使用しているということです。

しかし、この記事を読んでいただいている方には、これからの覚え方に革命を起こしていただきたいんです。

ここから、じゃあ具体的にどうしたらよいか?という話をしていきますね。

大人の記憶術


その知識を覚える際に、「これはこういうものだから」という覚え方はかなり効率が悪いという話をしましたが、じゃあ、具体的にどうしたらよいのかを挙げていきます。

おそらく勘の鋭い方は、私がどうこう言わないまでもなんとなく分かってはいると思いますが、念のため一挙公開していきます。

その覚えたい知識が「なにに必要なのか?」も覚える

今覚えようとしている知識が「なにに必要なのか?」まで覚えるんです。

例えば
今、何かの資格取得のために勉強しているとして、突然ひとつの「覚える必要がある概念」が出てきたとします。
これに対して、「これはこういうものだから」とただ覚えようとすると、1週間後にはほとんど覚えていませんが、
「この概念はなんのために必要なんだろう?」と考えると、他の知識と結びつき始めます。「どんな時の為にこの概念はあって、何のために存在しているのか?」まで覚えるんです。
結びついたその知識は思い出す際には「点」で思い出さなければならなかったものから、より幅の広い「面」で思い出す事ができます。

自分が体験した事に置き換える、または実際に体験する

覚えたい事柄を「自分の体験した事」に置き換えることで、引き出しが広くなります。

例えば
自分のためになりそうな知識を、本から得る事ができました。これを本を読んだままにしておくとそれは「知識」のままで留まり、しばらくすると忘れてしまいます。

しかし、その本を読んで感じた事を、
人に「話す」
紙やメモに「書く」
などをすると、忘れにくくなります。そもそも、人に話したり、文字にできるという事は、「理解して(覚えて)いないと出来ない事」です。

理解が深まるという意味でも、文字におこしてみるといいかもしれません。

語呂合わせや物語を作る

単語を覚える時に、出来るだけ「語呂合わせ」や「物語」のようにしてしまうと記憶しやすいです。
例えば
「Dog(犬)」「Phone(電話)」「Manual(マニュアル)」という単語を覚えたいときに
それぞれ覚えると、すぐ忘れますが、
「Dogがphoneを使うためmanualを使っている」と覚えるとかなり頭に残ります。この記事を下書きして投稿するまでに1週間以上経ちましたが、これを仕上げている今であっても、このマニュアルを使う犬の事をはっきり覚えていました笑。私は頭が良くありませんが、その私でさえ慣れてしまえば記憶力は上がりました。
ちなみに英語自体を覚えたい場合は、発音記号とその理由を知ると、割とすぐ覚えられる上に、単語帳を見たときに発音の仕方まで分かるようになるので、英語で躓いていていらっしゃる方は、先ずは発音記号から入るといいと思います。Youtubeなどで発音記号を知るといいと思います。
もうね、全然違います。ちょっと違う話になりましたね。すいません。

「目」だけでなく、「耳」も使う

私達は大抵、「目」だけで覚えようとしますが、それと同時に「耳」で聞くことでも忘れにくくなります。
私達は5感で情報を得て、脳で記憶しています。とすれば、5感からの情報が多ければ情報量も多くなるんです。

好きなアーティストの曲を覚える際に、曲を聴きながら歌詞を見て覚えますよね。割と他の事より覚えやすい気がしませんか?

また、アルファベットを思い出す時、歌ったりしましたよね。あれも音として覚えると思い出しやすいからです。

何より記憶を強くするもの

ざっくりこの辺りが科学的に記憶する方法となりますが、それより何より「記憶のために」大切な事が2つ、あります。

その1つが
「楽しむ事」です。ワクワクがとても良い状態だといったのはこの為です。

私達は、「感情の伴った記憶」というのを色濃く残す事ができる生き物です。
思春期の話に戻りますが、どうしてあの頃の経験を沢山覚えているかというと、「感情の伴った記憶」だからです。

私達がワクワクしながら、その物事に取組む事で、記憶はより一層強いものになります。

私自身が、こうして情報を発信し続けるのは、それがどういうものか?知りたいという気持ちがあり、文字におこせ、自分の体験としてご説明できているからでもあります。そしてそれが楽しいと感じています。

「面白い」だとか「楽しい」と思えない事って、すぐ忘れちゃうし、続かないんです。

私達自身がそれを覚えたいと思う「きっかけ」に触れる事が出来なければ、やっぱり覚えるのは難しいんです。

2つ目が
「寝る事」です。睡眠中に覚えたいこと、経験した事の記憶は整理され、定着します。
よく覚えられる人は、実に良く寝ています。
だから焦らず、しっかり寝る事は大切です。

記憶力より大切なもの


最後に、記憶力の記事を挙げておいてなんなんですが、「覚える早さ」は私達の人生にとってそんなに重要じゃなかったりします。

「早い方がいいでしょ!」というご意見も当然あるとは思いますが、ここでひとつ、例え話をします。

例えば
私があなたの就職を左右する面接官だったとします。「英会話能力」が今回の決め手です。
Aさん、Bさん、Cさんと
ありがたい事に、あなたの他にも沢山の方が今回の面接に参加してくださっています。

Aさんは特に覚えが早く、たった1年で英語を覚えました。
BさんとCさんは、Aさんほどではなくても、2年で英語を覚えることが出来ました。
しかし、あなたは3年掛けて、英語を覚えました。

あなたはAさんを始め、BさんとCさんにも引け目を感じていたかもしれません。

ところが、私が採用したのは「あなた」でした。
私の目から見たら、誰もが「今は英語を話せる人」なんです。

人柄がよく、皆に気を使える「あなた」が私には光って見えました。
覚える期間が1年でも2年でも3年でも私からは見えません。

今後共に仕事をして行く上では、その「英語を覚えた期間」より
「英語を話しながら一緒に仕事をして行く期間」の方が何十倍も長いんです。

だから私は、「あなた」に決めました。
覚えるのに掛かった期間はそんなに重要じゃないんです。そこからの方が圧倒的に長いですから。あなたの気配りは、なににも変えがたいものです。

それと、度々続いて申し訳ないですが、次回は、記憶とは切っても切れない重要な要素である「忘れるとは?」についてです。とりあえず「記憶」については次回で終わりにしたいと思っていますので、どうかお付き合いください!!

今日のあなたの一日が「科学的な記憶の向上とは何か?」を知る一日である事を願って。
読んでいただきありがとうございます!!

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