今回は脳にまつわる雑学をご紹介します。気軽に読んでもらえるような内容でお送りしていこうと思いますので、ゆったりと読んでいたっていただけたなら嬉しいです。
では、早速いきましょう!
目と目で通じ合う
私達は信頼できる人と目と目が合う事によって、「報酬系」と呼ばれる脳部位が活性化します。つまり気分がよくなるって事です。
また、10メートル離れた場所から相手がこちらを見ている時、
自分が見つめられているのか?
はたまた、10センチ隣のものを見ているのか?を
私達はなんとなく判別できます。
これはコンピューターには出来ない事です。黒目のほんのちょっと位置の違いを判別できてしまう私達の脳は本当に高性能です。
夢がなんとなく見えてきた最新科学
最新の科学では、夢の内容は約7割程度は予測可能になったようなんです。
どうも私達の見る夢は「脳による過去の記憶の整理」の側面が非常に強いみたいです。
夢の中で突然場所が変わったり、知らない人が出てきたりする事はあっても、全く知らない言語を話されたりしないのは、記憶にその「全く知らない言語」が無い為です。
私の場合は、寝る前に本を読んだりブログを書いたりすると、その内容を誰かに説明していたりするし、ゾンビ映画を見たりすると逃げ回る夢を見たりする可能性が高まっています。笑
女性はおしゃべり?男性は無口?
良く世間では、女性はおしゃべりが好きで、男性は女性ほどでもないなどと、まことしやかに言われてはいます。
これは女性のほうが右脳と左脳を繋ぐ「脳梁(のうりょう)」が太いため、右脳と左脳の連携が取りやすいのでは?といわれていた事もあるのでは無いかと思います。
しかし、「脳梁」の太さに男女差がある、というのは少し根拠に乏しい事が分かっています。
というのも、かつてのその実験に参加した被験者さんの数が少ない上に、低精度だった事もあって、現在では信憑性が低いとの見方が強まっているからです。
では、実際に女性はおしゃべりなのか?と言うと、こんな結果が出ています。
単純に音声を録音して男性と女性、どちらがより多くしゃべるのかという事を調べた結果、
「男女共に、しゃべる人はしゃべるし、しゃべらない人はしゃべらない。」
という事が分かりました。笑
男女、という区別は、例えば性差による違いを調べるような脳の研究には必要な事なのかも知れませんが、これも判断が難しい事が分かります。
私達は自分が思っているより周囲の影響を受けやすいんです。男と女という区別をしたがために、「男らしく」や「女らしく」のようなものが生まれているとしたら、脳の仕組みによって性差があるのか?はたまた環境によって考え方が変わった結果なのかは、文化の違いも含めた考察が必要なんじゃないかと思います。
記憶力が良いということの弊害
私はちょうど思春期くらいに、勉強が面倒くさくて常々こう思っていました。
「何でもすぐに覚えることが出来たら良いな。」
確かに、正直面倒な計算式や英単語を一瞬で覚えることができたなら、反復して学習する時間を使わないで済みます。
記憶力が良いに越した事はない。そう考える方も多いかと思います。
しかし、実際に記憶力が非常に高い人は、楽しているどころか苦労しているんです。
どういう事かというと
「忘れる事が出来ない」んです。
嫌な経験や苦しかった記憶を忘れる事にとても苦労しています。
私達人間は、実はそんなに記憶力が良くないんです。単に記憶という分野においては、チンパンジー君のほうが長けています。
実際、記憶力の訓練をすると人より優れた記憶力をチンパンジー君は発揮します。
では、どうして人間は沢山の事を知ることが出来るのかというと
その分「圧倒的な理解力と想像力」があるので、チンパンジー君よりすんなり「それが何か」を理解出来てしまいます。
また、私達の記憶が「なんとなく」だからこそ、様々な事に適応できるともいえます。
もしかしたら、私達の脳は今とても「いいバランス」なのかもしれません。
痛み
痛みの感じ方は皆一緒ではなくて、人によって結構違います。
痛みの感じ方については、遺伝子によって決まっています。
ものすごく簡単に言うと、私達の遺伝子によって、そこから形作られる「たんぱく質」が痛みへの感じ方を決めています。
その痛みを私達が実際に「痛い!」と感じるのは、脳で「これは痛みです!」という情報が生まれるからです。
誰かの痛みを正確に把握する事は現時点ではできないので、お医者様であっても「痛みはありますか?どのような痛みですか?」とお聞きになっています。
リラックスや集中する事で、痛みを和らげる事が分かっていますので、隣で大切な人の背中をさすってあげる事は有効だと思います。
神経細胞の数
私達の頭の中には、びっしりと神経細胞が詰まっています。
その神経細胞について、結構最近までこんな事が言われていました。
「歳を取れば取るほどに神経細胞の数は減っていく。」
これについては、一部は合っていますが、全体で見れば誤りです。
確かに私達の脳は、
「およそ3歳までに」神経細胞の数をかなり減らします。
しかし、それ以降は健康な身体を維持できれば、80歳でも、100歳でも神経細胞の数はほとんど一定である事が分かっています。
つまりは、
「3歳までに神経細胞の数は減っていくが、それ以降は減らない。」という事です。
3歳までに神経細胞の数は減っていくというと、なんだか嫌なニュアンスが含まれていますが、ただ単に「脳の最適化」が行われているという感じです。(これをプルーニング(刈り込み)と言います。このプルーニングは自閉症の症状との相関があります。)
また、3歳以降の脳が変化しないという事でもありません。
上記の内容に加えて、私達の脳の鉄則に「使われればその回路が使いやすくなり、使われなければその回路は使いにくくなる」というものがあります。
私達が繰り返し考えた事に対し、脳は見事に順応してくれます。
神経細胞の数は変わらなくても、その繋がりの強さはいくつからでも変わっていきます。
私達の成長には「遺伝起因」と「環境起因」とがあります。
特に気質などに関しては、どちらも「目に見えない」ものです。
どうせ「目に見えない」のであれば、
決まりきっていると考えるより
いくらでも変わっていくと考えた方が良いんじゃないかと思います。
実際脳は変化し、順応するものですから。
ただし、今悩みがあって辛い状態であれば、無理をして元気にふるまうとあんまりいい影響がないことも分かっています。ちょっと哲学的になりますが「嫌なことを考えないようにしよう!」とすること自体が「嫌なことを考えないとできない」ことです。楽しいことをして忘れられるくらいの悩みならそれでいいんです。忘れる事が出来ていますから。しかし、どうにも嫌な気持ちが湧き上がってくるときは、苦しいかもしれませんが、その悩みを直接解消してやった方が私たちのためになります。
今日のあなたの一日が「脳の雑学」を知る一日である事を願って。
読んでいただきありがとうございます!!