科学のプロセスが打ち合わせを円滑にする

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人間関係

今回は、科学のプロセスである「仮説→検証→解釈」は、お仕事にメチャクチャ使えますよ!といった内容をご紹介していきます。その打ち合わせを皆で協力するために、ひとつの結論を出すために、もっと言えば基本的な仕事への考え方は、科学のプロセスで割りと解決します。という話をしていきたいと思います。

では、早速いきましょう!

意見が纏まらない!


おおよその会議や、打ち合わせと呼ばれるものは概して「すんごい時間が掛かる」事があります。

1時間も2時間も会議をしていたらやっぱり誰だって集中力は落ちるし、話は聞けなくなるしで、正直言って長く時間を掛けるメリットがほとんど無いと個人的には思っています。

なが~い会議や打ち合わせは、大抵の場合、「おんなじ話」を繰り返しています。
では、どうして同じ話を繰り返す必要があるのでしょうか?

これはおそらく、皆が皆、自分の主張を分かってもらいたいはずなのに、その主張の有効性(それは確かなことなのかどうか?)を明確に交換し合うことが出来ていないからだったりします。

だったら意見を纏められるような仕切り役を私達がかって出れば良いんです。
そしてそれに役立つ方法が、今回ご紹介する「科学のプロセス」です。

厳密には今回話をする内容よりそのプロセスは複雑だったりしますが、今日はその内容をもっと簡略化し、誰でも取組めるような「打ち合わせ時短術」に、もっと言えば「お仕事時短術」に仕立て上げたいと思っています。

仮説→検証→解釈のプロセスを上手く使っていく


ざっくりとした科学のプロセスは主に3つです。
それが
「仮説」「検証」「解釈」です。
難しそうに見えますが、順に説明していけばそんなに難しくは無いものと思います。
今回の話は、特に「会社での問題解決」には一役買ってくれます。

1、仮説を立てる

先ずは「仮説」についてです。
先ずは科学者さんの「仮説」の立て方を軽く見ていきます。
結論から言うと、科学者さんが仮説を立てる時って、ただ闇雲に「こうだったら良いなぁ」「こうしたい!」という形で始めるわけじゃないんです。

仮説を立てるには、そもそもその仮説が成り立ちそうな、「今ある目の前の事実や根拠」がある程度情報としてある事が大前提です。

つまりは他の科学者さんだったり、過去の偉人達が導き出した結果から「仮説」を立てています。要は「事前情報ありきの仮説」なんです。

「今までのこういった結果から見て、もしかしたらこうなんじゃないかな?」というのが基本的な科学の「仮説」です。

さて、これを私達のお仕事に当てはめた場合も同様です。
「これは確からしい」という情報を先ずは集める事からはじめます。
よくロジカルシンキング(論理的思考)的な本の中に、「一次情報(現場の情報)に触れろ!」と書いてあるのは、それが理にかなっている「確かに近い情報」だからです。
少なくともただ「こうしたい!」というものよりは根拠があります。更には、数字で見ることができると尚良いかなと思います。

ですので、まずは、「確からしい情報をとにかく集め、そこから仮説を立てる」事が重要なんです。論理的思考を学んだ人からすれば、「とにかく集める、なんて邪道だ!」と思われるかも知れません。確かに「重要な情報を程度に集める」ことが出来れば、その方が良い場合が多いです。しかし、何が重要か分かる状態は、果たして沢山の経験がなされていない状態で可能なのか?と言うと、実際かなり難しいとも思います。ですので先ずは「とにかく集める」んです。

さて話を戻せば、大抵の場合は「こうしたい!」が先行している場合が多い印象を受けます。
こうなっていくと、「こうしたい合戦」が始まってしまい、意見は纏まりません。

この時の私達は「こうしたい合戦」に参加せず、今ある情報を確認していくと、矛盾するような意見も結構気付く事ができます。

その矛盾に対しては質問するのが一番です。
「今までの情報を確認していくと、○○さんのおっしゃっている案は、この点と少しかみ合わないような気がするのですが、ここについてはどうお考えですか?」

この時点である程度は、次の「検証」をしなくても良さそうな意見を省けます。
そうはいっても、やっぱり次のような意見はでてきます。

「私はどうしてもこうだと思うんですよね。」
これはよくある事ですよね。

確からしい情報を示してもこうなる事はあります。ですが、これは必ずしも真っ向から否定しなくても良いんです。

どうしても自説(自分の主張)を試してみたい場合、この意見については、次の「検証」で確認すれば良いものと思います。

という事で、次は「検証」プロセスです。
「じゃあ、検証してみましょうか!」

2、検証をしてみる

ある程度の意見が纏まったところで、「検証」の準備をします。
今出た「仮説」をどういう形で検証するのかを考えます。

仮説を証明するためには、検証可能でなければなりません。

その前に出た「仮説」というものは「仮説」に過ぎないので、もしそれが再現できない、または証明できない場合については、「根本の原因」にはなりえないものです。(あるいはその検証結果が仮説通りでなかったことの方が情報としては有意味だったりします。)

また、検証可能なものについては、顧客にも見てもらえたなら、より説得力が増します。
これもまた数字で見れたり、データとしてみる事ができると尚良いんです。

3、解釈をする

仮説と検証によってでた結果について「こういう結果が出たね」という事を確認します。

これは
「色々集めた情報からこの仮説がたって、検証したら実際にこうなりましたね。この結果について何か意見はありますか?」
というその場に出席していただいた方の解釈を得る機会です。

今回の検証が有効かどうか?をみんなで見ていきます。

科学者さんの場合は、その偉大な発見を論文として世間に公表しますが、私達の場合は「議事録」がそれに当たるんじゃないでしょうか?

ここまでが「仮説→検証→解釈」のプロセスです。

仮説がかなり大切


これによって見えてくるものは「根拠ある仮説立てがかなり大切」だという事です。

いかに「こうしたい合戦」に参加せず、それすら取り込んで話を進めていけるかが、その会議や打合せを時短し、更にはひとつの纏まった意見を導くための大きな鍵になってきます。
言ってしまえば「こうしたい」を「この情報を統合するとこうなる」の方向に持っていくことが大切かなと思います。

「こうしたい」というのは、いわば「その木になる果実」を得たいのに、なるかどうか分からないそれが「実ってくれる事」を願っている状態です。

そうなると、その木の栄養状態が悪い事に気付けないかもしれません。本当に必要だったのは、願う事では無く、確実に実がなるための「肥料」です。

「枝葉や実」にばかり囚われず「幹や根も土」も観察していく事が大切だと思います。

日常生活において意見が違っても、「そういう意見もあるんですね。」で良いと思いますが、仕事の場合は中々そうもいかないものですよね。
仕事において1つの意見に纏めて、皆で進んでいくには、反対意見も受け入れて一緒に試してみるから「大きな1つのみんなの意見」が出来上がると感じています。

最後に、イギリスの哲学者、ミルさんの意見を載せておきます。

「その意見が何者にも論破されなかった場合、それは「正しい」といえます。
しかし、その意見が論破を許さないがために、「正しい」とされているのであれば、
それは「正しい」という保証は全く無い。」

つまりは、反対意見の余地を与えてこその、「正しい」意見、なんです。

今日のあなたの一日が「仮説、検証、解釈」を知る一日である事を願って。
読んでいただきありがとうございます!!

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